ヘミングウェイ(老人と海)

「老人と海」は、魚を獲って生活している老人の物語。

魚が一匹も獲れない日が八十四日も続いた老人はある日、

舟をもっと沖の方へ出すことにしました。すると、老人が乗る小舟よりも

大きい魚が仕掛けてあった餌に食いつき、魚は一晩中舟を

引きずり回したのです。舟を海上に出して三度目の太陽を見た日の晩、

ようやく魚は弱まり、老人は魚にモリを打ち込んで仕留める事ができました。

老人は急いで岸へ向かいましたが、大魚の血で匂いを嗅ぎつけ、今度は多くの

サメが大魚を食いちぎっていこうとします。

老人はあらゆる力を振り絞ってナイフやこん棒で闘いますが、結局残ったのは

大魚の頭部と骨だけになってしまいました。

老人はすっかり気を落としてしまい、岸に上がり家に戻った後、ベッドに

横たわって深い眠りについてしまいます―。

老人と大魚との闘いは、人生における闘いを表しているといわれます。

老人は闘いに敗れますが、この本の中で「勝ち負けになんの意味があるのだろうか」

ということと、この敗北の中で老人は生きることの意味と自分という存在を確かめ、

人生はそうしたものだと伝えています。

アーネスト・ヘミングウェイは、1898年シカゴ近くのオークパークに生まれる。

幼い頃より父と釣りや狩りをしてのびのびと過ごし、

ハイ・スクールを出た後は日雇い労働などを経て新聞記者になる。

やがて第一次大戦が始まると義勇兵として赴き、その経験を元に有名な

「武器よさらば」を執筆。第二次大戦でも活躍し、精力的に活動しながら

「誰がために鐘は鳴る」など執筆を続け、ノーベル文学賞を受賞した。

ヘミングウェイは、様々な体験を元に深みのある内容と文章で、

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